- 記事の初稿づくりに毎回時間がかかり、公開本数を増やせない
- AIで書いた文章が自社のトーンに合っているのか、確かめる基準がない
- Marketingプラグインのdraft-contentとbrand-reviewを、実務でどう使えばいいか知りたい
もしあなたがこのように感じているなら、この記事はまさにうってつけです。
Claudeで記事作成を効率化する際にまず手軽に試せるのが、Anthropic公式のMarketingプラグインに含まれる原稿を作成するスキルと、ブランドチェックをするスキルを活用した方法です。
この2つを組み合わせると、『原稿の下書き作成』から『ブランド基準に沿った校正』まで、初稿づくりと公開前のチェックの両方をClaudeに任せられます。
この記事では、2つのスキルで何が手に入るのかを整理したうえで、実行の手順と、出てきた下書きやレビューを実務で使うときの注意点まで紹介します。
本記事の概要と前提環境
本記事は有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)でClaudeデスクトップをお使いの方を対象としています。スキルを使うにはコード実行が有効になっている必要があります。記載した仕様は2026年9月28日時点の公式ドキュメントに基づいています。
Claudeでの記事作成に活用できる公式プラグインのdraft-contentとbrand-reviewとは?
まずは今回ご紹介する2つのスキルの役割から解説します。
原稿の下書きを作成するのが「draft-content」、その下書きをブランド基準に合わせて修正・校正するのが「brand-review」というスキルです。

draft-contentとbrand-reviewの概要イメージ
それぞれの概要は以下にまとめます。
1. draft-content(原稿の下書き作成)
多様なマーケティングチャネル向けの文章やコンテンツの下書きを、AIが自動生成するスキルです。
コンテンツの種類、想定読者、伝えたい要点を伝えるだけで、チャネルに合った形式の下書きとSEO対策の提案まで行います。
2. brand-review(自社基準に基づく修正・校正)
文章が企業のブランドガイドラインやトーン&マナーに沿っているかを、自動で点検・校正するスキルです。
原稿をスタイルガイドと照らし合わせ、修正が必要なポイントを重要度順に指摘してくれます。
導入前の前提知識(2つのポイント)
- 単体追加は不可:どちらも「Marketingプラグイン」に含まれる機能のため、個別での追加はできません。
- 呼び出し方法:「/」コマンドから呼び出せるほか、「記事の下書きを書いて」「ブランド観点でチェックして」と指示するだけでも、Claudeが自動的に適切なスキルを参照します。
マーケターのためのClaude SEO分析|公式プラグインseo-auditの導入から実行手順まで
draft-contentで作れるコンテンツと下書きの内容とは?
draft-contentが対応しているのは6種類のコンテンツです。種類ごとに、下書きに含まれる要素が決まっており、以下の表に記載の要素が含まれた原稿を作成するようになっています。
| コンテンツの種類 | 下書きに含まれる主な要素 |
|---|---|
| ブログ記事 | 見出し案2〜3個、フックのある導入、小見出しつきの3〜5セクション、CTA(読者に次の行動を促す一文)つきの結論 |
| SNS投稿 | 1行目のフック、ハッシュタグ3〜5個、CTA。LinkedIn、X、Instagram、Facebookに合わせた長さと書き方 |
| メールマガジン | 件名2〜3案、プレビューテキスト、本文、ボタンの文言、配信停止の案内の注記 |
| LP | 見出しとサブ見出し、3〜4つの価値提案、推薦文の配置案、メインとサブのCTA、FAQ案 |
| プレスリリース | 見出し、日付と所在地、リード段落、コメントの差し込み枠、会社概要と問い合わせ先の枠 |
| 導入事例 | 成果を打ち出すタイトル、顧客概要、課題、解決策、成果の数値(入力を求められる)、顧客コメントの枠 |
※Anthropic公式リポジトリのdraft-contentのSKILL.mdをもとに作成。2026年9月時点の情報です。
Web向けのコンテンツでは、主キーワードの提案と配置の推奨、内部リンクと外部リンクの候補、メタディスクリプション案、画像の代替テキストの候補といったSEOの提案もあわせて返ってきます。
brand-reviewで返ってくるレビューの内容とは?
brand-reviewでのレビュー結果は以下の4つのブロックに分かれています。
| 出力ブロック | 中身 |
|---|---|
| Summary | ブランド基準との合致度の総評、強みと最も重要な改善点をそれぞれ1〜2文で |
| Detailed Findings | 問題点ごとに、該当箇所、重要度、修正案を表で。重要度は「高」「中」「低」の3段階 |
| Revised Sections | 重要度の高い3〜5件について、修正前と修正後の文章 |
| Legal/Compliance Flags | 根拠のない表現や免責の不足など、法務面で確認が必要な点と推奨対応 |
実務で便利だと感じるのは、Revised Sectionsです。
指摘だけでなく書き換え例まで出てくるので、どう直せばいいかを考える時間が減ります。
brand-reviewの2つのレビューモードについて
brand-reviewは、ブランドのガイドラインが設定されているかどうかで、チェックする観点が変わります。

brand-reviewによるレビューの流れのイメージ
| モード | チェックする観点 | こんなときに |
|---|---|---|
| ガイドラインあり | ブランドボイスとトーン、用語、メッセージの柱、スタイルガイドへの準拠 | 自社の語り口や用語ルールに沿っているかを確かめたい |
| ガイドラインなし | わかりやすさ、一貫性、プロフェッショナルとしての品質 | まずは一般的な読みやすさや表記のぶれを確かめたい |
どちらのモードでも、次の点は必ずチェックされます。
| 常にチェックされる項目 | 例 |
|---|---|
| 根拠のない最上級表現 | 「業界No.1」「最速」「唯一」を裏づけなしで使っている |
| 免責の不足 | 効果の保証や、金融・健康に関わる主張に注記がない |
| 比較表現 | 競合との比較で、反論されうる言い回しをしている |
| 推薦文の扱い | 出典や開示のないコメントや推薦を載せている |
| 規制に関わる表現 | 金融や医療など、コンプライアンスの確認が必要な業界の言い回しがある |
| 著作権 | ほかの情報源に近すぎる言い換えがある |
ガイドラインが手元になくても、上の項目だけで公開前の最初の関門として使えます。はじめて動かすなら、まずはガイドラインなしで一度試し、指摘の出方をつかんでおくのがおすすめです。
【手順】draft-contentで記事の下書きをつくる
実行はチャットタブでもCoworkでも行えます。
チャットでもスキルを実行できますが、PC内のフォルダへの保存や、Googleドライブ上の既存ファイルの更新などを行う場合は、保存時にCoworkへの切り替えが必要になることがあります。そのため、Coworkでの実行をおすすめします。
- 入力欄に「/」を入力する。インストール済みプラグインのコマンド一覧が表示される
- 一覧から draft-content を選び実行する

インストール済みプラグインのコマンド一覧が表示画面
- Claudeからの確認に答えながら進める
draft-contentが求めてくる情報は次の6つです。
| 入力項目 | 必須か | 内容 |
|---|---|---|
| コンテンツの種類 | 必須 | 前の章で紹介した6種類のいずれか。SNS投稿なら媒体も指定する |
| テーマ | 必須 | 記事で扱う主題 |
| 想定読者 | 必須 | 役職、業界、立場、抱えている課題 |
| キーメッセージ | 必須 | 伝えたい要点を2〜4個 |
| トーン | ブランドボイス(自社らしい語り口の決まりごと)の設定があれば省略可 | 専門的、親しみやすい、など |
| 長さ | 必須 | 文字数や段落数などの目安 |
実際のClaudeデスクトップでの画面では、以下のような形で選択や入力をして進めます。

draft-contentでのClaudeからの確認画面イメージ01

draft-contentでのClaudeからの確認画面イメージ02

draft-contentでのClaudeからの確認画面イメージ03
渡していない項目があれば、Claudeが書き始める前に質問してくれるので、すべての項目を事前に準備しなくても進められます。
ブランドボイスが設定されていない場合は「従ってほしいガイドラインはありますか」と聞かれ、特になければ中立的なビジネス向けのトーンで書かれます。

draft-contentでのClaudeからの確認画面イメージ04
テキストで依頼する場合は、次のような形で指示をすることで原稿案を作成できます。
以下は例文になります。
/draft-content 種類:ブログ記事 テーマ:生成AIで記事制作の工数を減らす方法 想定読者:BtoB企業のマーケティング部門長。AI導入の効果を経営に説明する立場 キーメッセージ:初稿づくりをAIに任せられる、ブランドの一貫性を保てる、最終判断は人が行う トーン:専門的だが親しみやすい 長さ:3,000字程度
- 下書きの表示
入力がそろうと、見出し案から結論までの下書きが返ってきます。
下書きの後には、適用したトーン、SEOの提案、次にやるとよいこと(チームでの確認、顧客コメントの追加など)が添えられるので、これまでマーケティングの業務をしたことがなくても、一定の品質の原稿が作りやすい仕組みになっています。
また、最後に「どこかのセクションを直すか、トーンを変えるか、別チャネル向けの版をつくるか」などが聞かれるので、そのまま会話で手直しを続けられます。
【手順】brand-reviewで下書きをチェックする
下書きができたら、同じ会話のままbrand-reviewにかけます。
- 入力欄に「/」を入力し、一覧から brand-review を選ぶ

/brand-reviewを指定した画面イメージ
- チェックしたい原稿を貼り付けて渡す
draft-contentで原稿を作成したチャットでそのままbrand-reviewを実行すると、以下の画像のように、直前の記事ドラフトも選択肢に含まれて、どのコンテンツをレビューするのか案内されます。
brand-review実行時の案内イメージ
- ガイドラインについての確認に答える

ブランドスタイルガイドやボイスのガイドラインの確認画面イメージ
ブランドのガイドラインが設定されていない場合、Claudeは「レビューの基準にするスタイルガイドや、ブランドボイスの指針はありますか」と聞いてきます。貼りつける、ファイルで渡す、言葉で説明する、のいずれでも受け付けます。なければ一般的なレビューに切り替わります。
ガイドラインを文章で渡す場合は、次のような形で十分です。
/brand-review (ここにレビューしたい原稿を貼り付ける) ブランドボイス:専門的だが親しみやすい。上から目線にしない 使う用語:「生成AI」「業務効率化」 避けたい表現:「AIに丸投げ」「誰でも簡単に」 表記ルール:製品名は公式表記に合わせる
- レビュー結果の表示
前の章で紹介した4つのブロックで、次のようなレビュー結果が表示されます。

brand-reviewのレビュー出力イメージ
そのあと、Claudeから次のような4つの選択肢が示されます。
| 選択肢 | 使いどころ |
|---|---|
| 指摘をすべて反映して、原稿全体を書き直す | 指摘に納得でき、まとめて直したいとき |
| 重要度「高」の指摘だけを直す | 公開まで時間がなく、致命的な点だけ直したいとき |
| 同じガイドラインで、別のコンテンツをレビューする | 複数の記事を続けてチェックしたいとき |
| ブランドボイスの文書化を手伝ってもらう | 次回以降も同じ基準でレビューしたいとき |
「指摘をすべて反映して、原稿全体を書き直す」を選択した場合は、自分で修正箇所を手動で修正することなく、Claudeが修正した原稿を作成してくれます。
レビューの内容を確認しながら進めることで、ブランドのトーン&マナーを一貫させられるのがbrand-reviewの強みです。
下書きとレビューを実務で使うためのワンポイント
2つのスキルの出力には、日本語向けに読み替えるもの、裏を取ってから使うもの、人が足すものが混ざっています。
| 扱い | 該当する項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 日本語向けに読み替える | 長さの指定、メタディスクリプション160文字未満という基準 | スキルの例は英語の語数や英語圏の基準で書かれている。日本語では文字数で指定し、メタディスクリプションは120文字前後を目安にすると実態に合う |
| 日本語向けに読み替える | brand-reviewのスタイル項目(大文字小文字の使い分けなど) | 英語の文法を前提にした項目が含まれる。日本語の表記ルールは、ガイドラインとして自分で渡したほうが正確に見てもらえる |
| 裏を取ってから使う | 下書きに入る数値やデータへの言及 | 各セクションに裏づけとなる要素を入れるつくりのため、出典の確認が必要になる |
| 人が足す | 自社の事例、顧客コメント、成果の数値 | プレスリリースのコメントや導入事例の数値は、差し込み枠や入力の依頼として出てくる |
実務でいちばん効くのは、レビュー後の選択肢にある「ブランドボイスの文書化」です。
一度文書にしておけば、次回からはそれを渡すだけで同じ基準のレビューになります。語り口の特徴を「私たちはこうである」「こうではない」の対で書き出すつくりになっているので、社内の表記ルールを整えるきっかけにもなるでしょう。
よくある質問(Q&A)
Q. GoogleドキュメントやNotionにある原稿もbrand-reviewにかけられますか?
A. かけられます。会話への貼り付けのほか、ファイルや、Notionのページ・共有ドキュメントといったナレッジベースの参照、公開済みページのURLでも原稿を渡せます。Notionなどのページを参照させる場合は、そのツールをコネクタで接続しておく必要があります。
Q. 過去に公開した記事をまとめてチェックできますか?
A. できます。brand-reviewは複数の原稿の一括レビューに対応しています。公開済みの記事であれば、URLを並べて渡す方法でも依頼できます。表記ルールを変えたあとに、既存記事とのずれを洗い出す用途にも向いています。
Q. チームで同じ基準のレビューを続けるにはどうすればいいですか?
A. まずはbrand-reviewにブランドボイスの文書化を手伝ってもらい、基準を1つの文書にまとめます。Marketingプラグインは、ブランドボイスやスタイルガイドを設定ファイルに登録しておくと、draft-contentとbrand-reviewが自動で反映するつくりです。TeamプランとEnterpriseプランでは、組織のオーナーがプラグイン自体をメンバーに配布できます。ただし、どこまでを自社の基準とするかは、業務を知っている人が決める必要があります。
まとめ
draft-contentとbrand-reviewは、Marketingプラグインを追加するだけで使える公式スキルです。種類と読者と要点を渡せば下書きが作成され、その下書きを渡せば重要度つきの指摘と修正例が返ってきます。足りない情報はClaudeが聞いてくれるので、準備を整えてから始める必要はありません。
活用できる環境があるのに、まだ利用していない方は、まずは次に書く記事で一度試してみると、初稿作成と公開前チェックの業務がどのぐらい効率化できそうかのイメージがつくので、操作感を肌で感じてみることをおすすめします。




